0214.とりあえず生きている
奴隷として1日中洗濯をしているシルフィドは、何よりも水が冷たいのが辛いと言っています。さらに細かく日常の様子を訊いています。
「お父さんやお母さんのことは何かわかりましたか?」
「お父さんやお母さんのことを思い出すことはありますが、あんまり考えていません。何が何だかわからないけれど、とりあえず生きているという感じです」
後に彼女はこの時の状況と気持ちについてこんな風に話してくれています。
「あの時はまだ小さいし、本当に自分に何が起きたのかちゃんと理解できてはいなかったのです。とりあえず毎日食べて寝て、できるだけ怖い思いや辛い思いをしたくないなあというぐらいしか考えなかったのです。
心配するとか、泣くとか・・・そういう感情や感情表現は、余裕があるからできることなのですね・・・あの時はそんな余裕はありませんでした」
彼女は過去を振り返るようにしみじみと語ってくれました。
まだ幼い少女であるシルフィドの本能は、生き延びることが最優先であり、そのためには子どもであれば、本来当たり前に感じるはずの本物の感情を感じないことによって、自分を守ろうしていたのかもしれません。
→ 筆者 ソウルミッション・セラピスト 中野日出美の プロフィール
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