0164.アンタゴニスの悟り
山の中で転んだひょうしに、木の枝が足に貫通し、刺さったままその場を動けず、もがき苦しみながら死の足音が近づいてきた時、アンタゴニスの胸に去来したものは、このようなものでした。
「あまりの激痛と苦しさに耐え切れず、思わず誰か助けてくれと思った瞬間に、気づきました。
自分は人の言うことを全く聞こうとしなかった。自分のやりたいことを追求することばかりに気をとられて誰の言うことにも耳を貸そうとしなかった。
誰か他の人に助けを求めるだけのことを人に与えては来なかった。だからこんな風に1人で孤独に死んでいくのは当然のことなのだと思いました。
神が助けてくれないものだということは、もうすでに知っていました。
人間は世の中の摂理を知るために生きているのだとわかりました。
結局、1,2週間ものあいだ、私は生き延びてしまいました。
その1,2週間は私にとって永遠とも思えるほど長い時間でした。
死を迎えるまでに、自分の人生について考える時間がたくさんあったのです。数十年も山にこもり、瞑想し精神世界に生きていながら、結局は何もわかっていなかったということが、死を目前にして理解できました。
→ 筆者 ソウルミッション・セラピスト 中野日出美の プロフィール
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