退行療法・インナーチャイルド療法 資格取得の注意点

【心理職の国家資格 公認心理師の中野日出美が解説】

ヒプノセラピーの資格についての注意点として、数ある催眠療法の中でも、最も難しいものの一つと考えられる退行療法について、お話しします。

それは、退行療法の習得には、暗示療法とは比べものにならないくらい時間が必要だということです。

退行療法の習得に必要な期間

例えば、米国催眠士協会(NGH)が提示する、暗示療法を習得し、プロとなるために必要な講座の標準的な期間は10日間です。

暗示療法よりも難しい退行療法を習得するなら、当然、それ以上の期間が必要となります。

インナーアクセスヒプノセラピースクールでは、退行療法・インナーチャイルド療法の講座を開催しています。その認定には、最低でも10日間以上の受講を義務付け、実技試験を実施して、実際に退行療法ができると認められた合格者にのみ、国際催眠連盟(IHF)と当スクールの認定証をお渡ししています。

当スクールでは、医師や臨床心理士などの専門職の方を含めて、数多くの受講生に学んでいただいておりますが、実際のところ、10日間で、退行療法ができるようになった人は、1人もいません。

退行療法の効果と注意点

潜在意識の奥深くに介入する退行療法は、十分なトレーニングを積んだセラピストが、的確なセラピーをすれば、短期間でたいへん高い効果を期待できるセラピーです。

しかし、その反面、習熟していないセラピストが行うと、再トラウマを引き起こし、症状をさらに悪化させる懸念すらある難易度の高い療法です。このことはよく覚えていてください。

例えて言うと、よく切れるハサミは、紙を切るという本来の用途には、たいへん役に立つものです。しかし、使い方を知らない赤ん坊が手にすれば怪我のもとになりますし、人に向けて使えば危険なものになります。

このように、どんなに優れた道具や手法であっても、それを使う人の習熟度や使う目的によっては、害となる懸念があります。

しかし、数日間でこのような難しいセラピーを学べ、プロになれるかのような宣伝も見かけます。

退行療法・インナーチャイルド療法を受けたり、学ぶ時には

もし、退行療法やインナーチャイルド療法のセラピーを受ける場合には、そのセラピストが持つ資格だけではなく、その実績や、退行療法やインナーチャイルド療法ができるだけの十分なトレーニングを受けているのか、確かめることをおすすめします。

また、退行療法やインナーチャイルド療法など、習得が特に難しいセラピーを学ぶ場合は、クライアントさんに安心してセラピーを受けてもらえるように、必要で十分なトレーニングを受けて、その認定資格も取得できるカリキュラムや講座を選ぶとよいでしょう。

当スクールで開催している退行療法・インナーチャイルド療法の専門講座は、次の2つです。

いずれも、国際催眠連盟(IHF)の認定講座となっています。また、再受講することが推奨されています。

次に、よく聞かれる「国際的な催眠療法団体の違いとは?」という質問にお答えします。

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