米国の催眠療法資格の意外な落とし穴

【心理職の国家資格 公認心理師の中野日出美が解説】

国際的な催眠団体の認定資格を取得できるところが増えています。その大半が、アメリカを拠点とする団体です。

そこで、米国を拠点とする催眠療法団体の認定資格について、たぶんあまり知られていないと思われる事実をお話します。

どこよりも多くの国際的な催眠団体の認定講座を開催している当スクールだからこそ、包み隠さず、正直にお話ししたいと思います。

アメリカで行われている催眠療法の主流は、暗示療法です。

そのため、米国を拠点とする催眠団体の教育カリキュラムは、プロとして活動するには、暗示療法をマスターすればよいという前提で、暗示療法を中心に学ぶカリキュラムとなっています。

例えば、当スクールで認定資格を取得できる米国催眠療法協会(ABH)、米国催眠士協会(NGH)のカリキュラムも、暗示療法が中心です。

そして、暗示療法と心理療法とは、明確に区別されています。

暗示療法は、数日から10日間程度で習得できるカリキュラムを、様々な催眠療法団体が提供しています。

しかし、心理療法は、通常、大学院などで数年間の専門カリキュラムを修了後、施術できるものとされています。つまり、暗示療法と心理療法とでは、必要とされる知識や技能、専門性のレベルや質が全く異なるものです。

アメリカでは、この心理療法を提供できる資格は、州ごとの法律である州法で定められています。

日本では、2017年にようやくわが国初の心理職の国家資格である公認心理師法が施行され、一定の資質が維持された心理の専門職者の資格を定める枠組みができました。

アメリカではプロの催眠療法資格が、日本では通用しない?!

日本でのヒプノセラピーの需要は、米国とは違い、前世療法や、退行療法、インナーチャイルド療法など、暗示療法よりも、高度で専門的な知識や技能が必要とされるセラピーが中心です。

なお、前世療法や、退行療法、インナーチャイルド療法などは、アメリカでは、心理療法とかぶる分野となるため、州法の規制に違反しないように、米国催眠療法協会(ABH)、米国催眠士協会(NGH)などの催眠団体の認定カリキュラムでは、施術のトレーニングを行っていません。ただし、米国催眠士協会(NGH)のテキストには、参考として、年齢退行を例示する記載はあります。

(なお、各種催眠療法については、ヒプノセラピーの種類と特徴 をご覧ください)

実際、日本では、当スクールにクライアントさんとして、個人セラピーを受けにいらっしゃる方の中で、暗示療法をして欲しいという方は、ほとんどいらっしゃいません。というか、皆無です。

すべての催眠療法の基礎となる暗示療法をしっかりと学ぶことは、とても大切で必要なのですが、日本でプロとして、クライアントさんのニーズに応えるためには、それだけでは不十分と言えます。

つまり、米国ではプロとして通用する催眠療法資格を取得しても、日本では、なかなか通用しません。

日本と米国とでは、社会的・文化的背景やヒプノセラピーに対するニーズが違いますので、米国の催眠療法のテキストを翻訳して、教えるだけでは、このようなミスマッチが起こります。

米国でヒプノセラピーを開業するならよいのでしょうが、アメリカ発のカリキュラムを学び、その認定資格を取得すれば、日本でもプロとしてやっていけると考えるのは、大きな間違いと言えるでしょう。

国際水準とか、世界水準と言うと、何かとてもレベルが高いかのように聞こえますが、プロとして暗示療法を行う知識と技能を身につけるには、少なくとも10日間程度のトレーニングが必要であるという最低限の水準にすぎません。

つまり、国際水準とは、10日間程度のトレーニングも受けていないようでは、ヒプノセラピーの分野を最も基本的な暗示療法に限定したとしても、プロとしては、とてもやっていけないことを示す水準であり、国際的にそのような共通認識があると考えると、わかりやすいでしょう。

そして、アメリカの催眠療法団体のカリキュラムには、当然のことながら、心理療法は含まれていません。

また、心理療法を施術するには、州法に従って、必要とされる他の専門的なトレーニングを受けるべきことを、注意喚起しています。そして、心理療法を習得するには、何日ではなく、何年という期間が必要です。

そのため、「○○療法」「△△セラピー」という名称がついていたとしても、10日間程度で学べるなら、基本的に心理療法とは異なるものであることを、十分に理解しておくとよいでしょう。

米国の催眠療法団体の資格取得を宣伝するところが、最近は増えてきていますが、ほとんどが暗示療法の資格です。当スクールでも、もちろん取得できます。

しかし、それだけでは、日本のクライアントさんのニーズを満たせません。米国の暗示療法の資格を持っていても、それで学んだことだけでは、仕事になりにくいのですが、米国の催眠資格のメリットだけが強調されて、そういう不都合な事実はなぜか明かされていないようです。

誤解を招くといけないので、念のために言いいますと、催眠療法を日本でプロとしてではなく、例えば、自分の人生を望み通りに変えるために使うのでしたら、暗示療法はとても役に立ち、効果もあります。ただ、日本でプロとしてやっていくには不十分というだけです。

前世療法や退行療法の国際的な催眠資格が、当スクールだけで取得できる理由

一方、インナーアクセスヒプノセラピースクールでは、米国の暗示療法の資格に加えて、日本のクライアントさんのニーズに合った前世療法・未来世療法や退行療法・インナーチャイルド療法や、パーツセラピー(副人格療法)についても、国際的な催眠団体の認定資格が取得できます。

なぜ、他ではできないことが、当スクールではできるのか、不思議だと思いませんか?

それはなぜかと言うと、当スクールの上級レベルで学べる専門カリキュラムは、当スクール代表で、公認心理師でもある中野日出美が、長年の実践の中で編み出した、日本発のオリジナルのセラピー手法を体系化したものだからです。

そして、当スクールの専門カリキュラムが、国際催眠連盟(IHF)の理事会から、「優れている」と評価され、認定講座として承認を受けているからです。

だから、前世療法・未来世療法や退行療法・インナーチャイルド療法、パーツセラピーなど、上級レベルで学ぶ、当スクールの専門講座は、国際催眠連盟(IHF)の認定講座として、修了すると、同連盟の認定資格を取得できるのです。

しかも、そのオリジナルのセラピー手法は、日本でのヒプノセラピーの実践の中で、ノウハウを蓄積したものなので、海外のカリキュラムを学ぶ際に起きる社会的・文化的なミスマッチが起きる懸念もなく、プロとして開業する際にも、安心して、使えます。

ただし、当スクールの上級以上の専門カリキュラムは、心理療法としての催眠療法ですので、習得するには、時間がかかります。実際には、習得のために、何度も再受講を繰り返している方が、大半です。

日本発、世界へ 国際的な催眠団体にも認められた専門カリキュラム

日本で高度で専門的な独自のセラピー手法を確立し、国際的な催眠団体の認定も受けているヒプノセラピースクールと、米国の中級程度の暗示療法のカリキュラムをただ教えるだけのところとは、学べる内容の量や品質にも大きな違いがあります。

その違いは、例えば、上級レベルの講座の種類や数、最上級レベルの講座で学べる品質にあらわれます。ヒプノセラピストとしての豊富な経験と実績があり、クライアントさんにご満足いただける、成功するセラピーのノウハウをたくさん蓄積している講師であれば、お教えする技能や講座も増えるものです。

当スクールの 上級~最上級レベルの講座 が、他にはないほど充実しているのは、このような理由があるからです。

もし、日本発、公認心理師の中野日出美のオリジナル手法による、前世療法の具体的な事例をお知りになりたければ、著書「前世療法 137回の前世を持つ少女」をお読みいただくと、ご参考になると思います。

次に、数ある催眠療法の中でも、最も難しいものの一つと考えられる 退行療法・インナーチャイルド療法 資格取得の注意点 をお話しします。

続きを読む