第5章 踊り子として売られたリッサ、人生の課題

4度目の前世は、戦災孤児の少女リッサでした。
彼女は踊り子となり、夫のハーレムに入ります。
しかし、子供を殺され、彼女自身も悲しみのあまり自殺・・・
人生では、耐えるべき時期があることを告げられます。

0056.さらに前世への扉を開ける

それからも、いくつかの前世を彼女はみています。

その中で、少女である彼女が母親になった時の前世をご紹介してみましょう。

いつものようにあっという間に深いトランスに入った彼女は、またかつて生きたもう1つの前世への扉を開けました。

彼女がすっかり前世へと入ったことを確信した私は、

「今、あなたはどんな場所にいるのですか?」と質問します。

彼女はいつものように閉じたまぶたの奥であちらこちらを見回しています。

閉じられたまぶたの中の眼球がぐるぐると何かを探すように動いているのがわかります。

そしていつものように前世での彼女の視線の焦点が定まりました。

「きれいな大きな建物です。
足元は大理石のような石が敷き詰められています。
そのひんやりと冷たい床にたくさんの女の子が座っています」



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0057.私たちは今、品定めされているの・・・

「あなたはどこにいるの?」

「私も女の子たちの中に座っています。私は今、6歳くらいです。」

「女の子たちはみんな、あなたと同じくらいの年令ですか?
その女の子たちはみんな、そこで何をしているのですか?」

「ここでみんな暮らしています。
今、ちょうど私たちは品定めされているところです」

「誰に品定めされているの?それからなぜ品定めされているの?」

「・・・・わからない」


そこでその理由がわかるところまで時を戻すことにしました。


「さあ、あなたは今何歳ですか?」

「5歳。お母さんとおばあちゃんと暮らしているの」

「じゃあ、今あなたが暮らしているおうちや生活を教えてくれる?」



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0058.私の名前は・・・

ここからはその前世での日常を質問しています。

「家は、日干し煉瓦みたいなもので造ってあるみたい。

お母さんは黒い服を着ている。黒いローブみたいなもの。

頭から黒い布をかぶっています。その黒い布は腰の方まであります。

目のところだけは布はかぶっていません。でも目以外は黒い布で覆っています。

おばあちゃんもおなじような格好をしています。

あっ、でもそれはお出かけの時だけで、家の中では黒い服ではなく色のついた服を着ます。

おばあちゃんはちょっと太っています。

ご飯はじゅうたんの上に座って食べます。

床に座る生活です。

ドアはなく、入り口のところにはのれんのような布がかかっています。

食べているものは・・・・芋をつぶしたようなものとパンみたいなものと、いろいろなものを煮込んだような料理があります。

あっ今、おばあちゃんが私をリッサと呼びました」

彼女のこの人生での名前はリッサということがわかりました。



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0059.お父さんは兵士です

「リッサちゃん、あなたのお父さんはどこにいるの?」

「今はいない。どこだろう・・・・・

・・・・わかりました。お父さんは兵士のようです。
身分の低い兵士のようです。歩兵のような・・・

体はいかつい、がっちりとした体格です。

髪は茶色っぽくて、目鼻立ちがはっきりとしたハンサムな人です。

私の髪の色はお父さんと同じように茶色っぽい色です。

お母さんとおばあちゃんの髪の色は黒です。

町にはたくさんの人がいます。

いろいろな人種の人たちが住んでいるみたいです。

肌の色もいろいろで、顔の雰囲気もさまざまです。

たとえば、インド人のような人・・・・アラブ人のような人・・・中国人のような人・・・」



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0060.樽の中のリッサ

リッサちゃんの日常が大体つかめたので、次にそこで何が起きたのかを聞いています。

「たくさんの男の人たちが村に攻めてきました。

村中の人たちが騒然としてパニック状態になっています。

お母さんは、私を家の中の大きな樽のなかに入れて、上に板のようなものを置いてふたをしました。

そして私に声を絶対に出してはいけないと言いました。

とてもドキドキしています。

怖いです。そして真っ暗です。

少しすると、ガタガタとものすごい物音やおばあちゃんの叫び声がしました。

私は恐ろしくて震えながら縮こまっています。

しばらくすると静かになりました。

私はお母さんに絶対に樽から出てはいけないと言われたので我慢していたのですが、とても息苦しくなって、そうっとふたを持ち上げて部屋の中をのぞいてみました。

誰もいませんでした。部屋の中は静かです。外も静まり返っています。

息ができるようになったので、また私は樽の中でおとなしくしていました。

でもしばらくして、もう大丈夫かなと思って出て行きました」



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0061.かっと見開かれたおばあちゃんの目

「樽の外に出てみて私はびっくりしています。

おばあちゃんがうつぶせに倒れていたからです。

じゅうたんは血だらけです。おばあちゃんの背中には剣のようなものが突き立てられていました。

私はおばあちゃんのそばに近づいていき、おばあちゃんの顔を覗き込みました。

おばあちゃんの目はかっと見開かれたままでした。

私は驚いて声も出せませんでした。

それから、私は逃げようとして外に飛び出して行きました。

すると家の前にはお母さんが倒れていました。

やはり血だらけで死んでいます。

お母さんは、私とおばあちゃんを守ろうとして殺されたのです」



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