前世を記憶する子どもたち
イアン・スティーヴンソン著(日本教文社刊)
ヴァージニア大学精神科主任教授であるイアン・スティーヴンソンは、世界各地から寄せられた2000もの生まれ変わり事例を長年にわたって徹底的に調査しました。
それぞれの生まれ変わりのケースを慎重に論理的に分析した他に類のない専門書です。
スティーヴンソン博士は催眠による記憶の想起には批判的ですが、実際に前世の記憶をもつ子どもたちたちの証拠を徹底的に調査し、学者の立場から推測しています。
そういう意味でも、この著書は大衆向けのオカルトとは一線を画しています。
また、推測自体も客観的であり、証拠に基づいた事例のみを取り上げてるのです。
生まれ変わりとされる典型的なパターンにはいくつかの要素があり、
「ある人物が死亡するに際して生まれ変わることを予言する」
「生まれ変わりとされる子どもを妊娠する女性がお告げのような夢をみる」
「生まれてきた子どもに先天的な母斑や身体欠損があり、それが前世の人物の死んだ時の身体的特徴と酷似している」
「生まれてきた子どもが前世の人物の死んだ時の様子や家族関係、住んでいた場所などを知っている」
「前世の人物にふさわしい行動をみせる」
などというデータを示しています。
ただ、この本は学術書なので、一般の方には少々読みにくいものかもしれません。
しかし、生まれ変わりに深い関心があり、研究者向けの本を読んで見たい方にはこれ以上ないほど内容の濃い1冊でしょう。