彼女は前世回帰のヒプノセラピーの後、抱えていた恐怖症がいくらか改善したように感じたようです。
自分を苦しめていた恐怖症の原因や理由がわからず、今まではそのこと自体が不安であったのです。それが、いくつかの恐怖症の原因が自分の過去世にあるかもしれないと仮定することによって、すとんと納得できるものがあったと言うのです。
少なくとも、前世に向き合うことは、ちっとも恐ろしいことではなく、むしろ興味深いことだと彼女は受け止めたのです。
2度目の前世回帰のヒプノセラピーは、それからまもなく行われました。
彼女は前回同様、深い催眠状態に入っていきました。
そして、前回よりも、もっと速やかに前世の自分の体に入っていきました。
「草原です。まだ、小さい男の子です。4歳か5歳くらいです。僕はしゃがみこんでいます」
そうです。彼女は最初のセッションで訪れた前世へとやって来たのです。そして、彼女も含めて深い催眠に入り、前世を体験する人は、その前世の世界で、すっかりその体に入り込んだようになることが多いようです。
もう一度、当時の自分の肉体に入り、さまざまな経験をするのです。
ですから、その時の自分自身が幼児であれば、子供のような口調になり、老人になれば、老人のように、ろうたけた話し方になるのも、ひとつの特徴です。