「苦しい?その体から離れようか?」という私の提案に、彼女は首をふりました。
そして「大丈夫です。もう終わりました」と答えました。
ほっとしたように、彼女は息をはきました。
「亡くなったのですか?」
「いいえ。お母さんが手を離したんです」
彼女の答えは冷静なものでしたが、聞いている私は、動揺していました。
わずか、4、5歳の幼児がお母さんに首を絞められて殺されそうになったのです。
壮絶な前世体験をしているクライアントさんのセッションは、いつも緊迫感がみなぎります。
「お母さんは僕が邪魔なんです。僕がいない方がいいと思っているのです」
ここから、私はこの前世での詳細を質問していきました。
「この土地で暮らす人々は酪農のような仕事をしています。羊などの動物たちがたくさん見えます。食べ物はパンとかスープとかチーズなどです。あまり好き嫌いはありません。
僕はおとなしい子供のようです。僕の名前はヤコブです。
家族はお母さんだけです。お父さんはいません。お母さんが働いて僕を育ててくれています」