その日の彼女は、ジーンズにセーターというラフな格好で、セッションルームに入って来ました。
高校に入学してから、肩位に切りそろえた髪をさらにショートカットに短くカットしていました。短いショートカットのヘアスタイルが、より一層、彼女の繊細な美しさを引き立てているように感じました。細く、頼りなげな首元には、細いネックレスをつけています。
彼女は、以前、窒息するのではないかという恐怖のために、ネックレスはもちろん、美容院でカットする際に使う首に巻きつける布にさえ抵抗を感じていたのです。その彼女が今、ネックレスをつけているのを見て、私は嬉しくなりました。
「似合うね」という私の言葉に、「今でも、あまりきついタートルネックの洋服などは着られないけれど」と彼女は少し照れながら、笑いました。
高校での生活などを聞きながら、これから行うセッションに徐々に焦点をあてていくようにカウンセリングを進めました。