とうとういつも中間世で彼女を迎えてくれるいつもの男の人との関係がつかめそうです。
「その手紙を受け取って喜久乃さんはどうしたのですか?」
「もしその気持ちに応えたいという時でも、最初は女性は素っ気ない返事をするのがしきたりのようです。そして本当に嫌で、断る時は無視をするのが決まりなのです。
私は本当は無視をしたかったのです。男の人に全く興味がなかったのです。まだ子どもでしたから」
まだ子どもでしたから。と中学生の彼女は言いました。
「彼はどのような人なのですか?」
「ヒゲをはやしています。背の高い、顔立ちのはっきりとした人です。男っぽい印象です。でも野性的な人ではありません。
インテリの知識人という感じです。性格は堅実で落ち着いた人です。年齢は私よりも10歳くらい上です」
「なるほど。それから彼とはどのような関係になったのですか?」
「私の周りの人たちはこの縁組を良縁だといってとても喜んでいます。彼はエリートなのです。
叔父さんは私に返事を急かしています。あまりにも急かすので侍女の誰かに適当に返事を書かせて返信しました。
そうするとすぐ、またお会いしたいと書いた手紙が返って来ました」