次にご紹介する彼女の前世は、彼女が思い出したたくさんの前世の中でも少し異質なものです。
彼女の前世は、どちらかというと自分の意志に関係なく、その前世での環境や歴史の背景に大きく影響されたものが多いようです。
世界の過去の長い歴史を振り返ってみると、それは、ある意味うなづけることでもあります。
権力も財力も、そして身分も持たない一市民が、現代の日本人のような人生を送ることはかなり困難なことだったでしょう。
また統計的に考えても、世界中のほとんどの人たちが、この何の力も財力も身分も持たないレベルで人生を送ったことは間違いありません。
誰よりもたくさん前世を体験している彼女が、時の運命に翻弄されながら生きた人生を数多く思い出すというのは、私は理にかなったことのように思われます。
もちろん前回、ご紹介した前世でのキャロラインのように女性でありながら確固たる自分の意志を持ち、人生を切り拓こうとした人格もいました。
しかしキャロラインはやはり、彼女の魂が経験した女性の人格としては、一種変わった女性であったと言えます。
しかし確かにキャロラインは彼女の前世の人格の一部であり、そのキャロラインから受け継いだものを彼女は内に秘めています。
今回ご紹介する彼女の前世もそのような意味では、一風変わった前世です。