いつものように前世へと入っていった彼女は、穏やかな表情と口調で話し始めました。
「足元は冷たい感触です・・・大理石のような床です・・・柱がいっぱい立っている建物にいます。
・・・水の上に建っているようです・・・浅瀬の・・・私は白い服を着ています。風通しのよい・・・ゆったりとした服装です。
手に何か巻いています・・・そして何か紙のような物を持っています。
私は男です。薄い茶色の髪の毛で・・・白人みたいです・・・年は・・・25歳です」
いつものように初めはおそるおそると、しかしだんだんと明確に彼女は前世の自分を語ってくれます。
「たくさんの人がいます。・・・でも男の人ばかりです。何か話し合いをしています・・・勉強している・・・?
・・・会議みたいです。
話し合っている内容は、建築と水位についてです。遠くの方に山が見えます。
・・・海か湖の上に建つ建物で私たちは水位と建築の構造について話し合っています。
私は頭に何か巻いています。細い・・・バンダナのようなものです」