「私・・・アンタゴニスは、遠くの山に行きたいと強く思っています。
オリンポスの山です。緑色の大きな山です。2つ並んだ大きな山・・・山の上の方は雲で隠れて見えません。
そこに本当に神がいるのか確かめたいのです。
そんな気持ちが強いのですが、同時に政治の世界に進出したいとの思いもあります。
今までどおりエリートコースを歩んでいくべきか、自分の心からの願望を優先すべきか迷っています。
ここではたくさんの神がいると信じられています。水の上に建っていた建物は大きな地震で沈んでしまいました。それは、ギリシャの神の怒りのせいだとみな信じています。
そうしてそれらの神は、自分たちと同じ姿をしているとみなが思っています。
私はアポロン神殿に行きたいとの思いを心に秘めています」
アポロン神殿とは今でいう神社とか寺みたいな存在なのだと彼女は後に教えてくれました。
アンタゴニスは、これまでどおりのエリートコースをこのまま歩んでいくべきか、または自分の心の声に従って神秘の世界へと進んでいくべきか迷っているようです。
その後アンタゴニスの人生が、どのように変化していったのかを知るために時を進めました。
「私は、今、45歳から50歳くらいの年齢です・・・白髪の長い髪になっています・・・
神を信じたいとの想いが強く、神を信じるためにどうしても神の姿を見たいと思っています。
神殿のそばに住んで山伏のような生活をしています。
世間の人は私を世捨て人だと言っています。一日中祈ったり、アポロン神に大声で語りかけています。
『姿を見せてくれ!』
『神に近づきたい!』
と、まるで新興宗教にはまってしまい、我を忘れてしまった人のようです」