「何でもいいから、あなたのことを教えてください」という私の質問に、上から格言が降りてくるのを待っていると言った彼は、1つ深いため息をついた後、おもむろに話し始めました。
「・・・私は・・・私の手は開きません。手が・・・手の指がくっついていて開きません。両手とも開きません。
これは生まれつきです。でも、右手は左手に比べて指と手のひらがくっついていません。
鷲手のようです・・・そう・・・手が鷲のようになっています。この右手の指が、手のひらとあまりくっついてなくて、良かったなあ・・・」
彼はしみじみと、そしてかみしめるように、自分の両手の状態を話します。彼は、生まれつき体に障害を持って生まれてきたと言うのです。
彼女の前世の人格が、身体に生まれついての障害を持っていたのは、この時点では初めてのことでした。
今までにご紹介していない彼女の前世は、他にもたくさんあり、生まれつき脳に軽い障害を持つ女性、や精神を患った人格などはいました。しかし、体に障害を持った人格はこの時点では初めてのことでした。
この前世の冒頭で、彼が両手を袖の中につっこんでいたのも、これが理由のようです。