高校生になった彼女の催眠にかかる能力は、少しも衰えてはいませんでした。
長い誘導法よりも素早い誘導を好む彼女をいつものように瞬間的にトランスに入れ、前世の人格が現れるのを待ちました。
眠っているかのような静かな呼吸の中で、いつもどおり1つ大きく息を吐いてから、彼女は話し始めました。
「・・・地球が見えます・・・とてもきれいです・・・そしてその地球の中にぐんぐん引き込まれていきます・・・
ああ、今は森の中です。私は裸足です・・・土の上に立っています。私は小さな女の子のようです・・・年は、7歳です・・・
ブラウスにスカート、エプロンのようなものを着けています。長い髪を三つ編みにして、胸の辺りにたらしています。髪の色は金色・・・いえ、とても明るい茶色です・・・
私は今、とても恐怖を感じています・・・怖い・・・逃げているのです・・・出来るだけ遠くへと・・・家から離れるために・・・」