さらにローランナは、静かに話し続けます。
「私も機織をしています・・・機織をしながらいつも考えています・・・これが正しい生き方なのだとは思いながらも、なんだか自己完結のような気がしてなりません・・・」
ローランナの言葉が途切れました。私はローランナと同じように静かに先を促しました。
「自己完結とは・・・?」
ローランナは何かを探るような顔つきをして、少し間をおいた後、答えました。
「もっと・・・他人に与えたり、人のために何かをしたりする生き方を考えています」
「それは、あなた方の信仰に沿ったものですか? それとも亡くなったお婆さまから受け継いだものですか?」
「信仰に沿ったものではありません。おばあちゃんから聞いたたくさんの言葉が元になっているかもしれません・・・」
「なるほど。それであなたはその考えを何かに活かすつもりですか?」
「わかりません・・・今はわかりません・・・」