今、ジュリアンはどうしようもない感動の渦の中で、自分という人間を振り返っています。そして、これがジュリアンの人生の最期の場面であるようです。
「私は間違えていた。私は地獄に落ちるでしょう・・・母さんやトーマスが毎日、夢に出てくる・・・母さんやトーマスを捨てた私は、きっと地獄に落ちる・・・怖い・・・でも仕方ないこと・・・おばあさん、ありがとう・・・何もお返しが出来なくてごめんね・・・」
ジュリアンはこうして若くして最期の時を迎えました。
しかし、ボロボロとなってしまった肉体を抜け出したジュリアンの魂が向かった先は、地獄ではなく、やっぱりいつもの中間世でした。
「ああ・・・私も天国に来られたんだ・・・ありがたい・・・あっ・・・母さんとトーマスがいる・・・ごめんなさい、ごめんなさい、私を許して・・・2人とも何にも言わず笑っている・・・穏やかな顔で・・・」
ここで、しばらく魂となったジュリアンは泣き崩れました。