次の場面にジュリアンを誘導した時、彼女は37歳になっていました。
「ジュリアン、今、どうしていますか?」
「・・・寝たきり・・・私は呪われているのかなあ・・・それとも罰かなあ・・・もう起き上がることもできやしない。何かおそろしい病気を客から移されたみたいだ。とても体がだるくて、咳が出る・・・もう死ぬんだろうな・・・」
「あなたの面倒を看てくれる人はいるのですか?」
「・・・ううっ・・・ううっ・・・えっ・・・・・・・」
ジュリアンは急に嗚咽をもらし始めました。こみ上げてくる嗚咽を抑えるのに必死といった様子です。
そして、やがてゆっくりと話し始めました。
「・・・隣に住んでいるおばあさんが、私を看病してくれている。そのおかげでなんとか今、生きている・・・ありがたい・・・私は心から感謝している・・・私はこんなことしてもらえる人間じゃないのに・・・
毎日、おばあさんは私に温かいスープを運んでくれる。このおばあさんに、私は何にもしてあげたことがないのに・・・この人は天使だ・・・ううう・・・」
今、ジュリアンの心は大きく動いています。