私をむさぼり尽くし満足した敵たちは去って行きました。
私は彼らが去って行くのをぼんやりと見つめ、私はどうしたものかと困惑していました。
そうしているうちに、私を探してメス熊がやって来ました。
私の変わり果てた姿を見つけたメス熊は、しばらく私の匂いを嗅ぎ、ボロボロになった私の体を舐め始めました。
まるで、なんとか私の傷を癒し、元に戻そうとでもしているかのようです。
しかし、もちろんメス熊は、もはや私を元に戻せるはずはないことをよく知っていました。
メス熊は私のボロキレのような体を舐めながら、小さく喉を震わせていました。
その「ぐう・・・・・・」という声を、私は上の方で聞きました。
そうしていると、居ても立ってもいられない気持ちになり、メス熊のそばに行って、鼻を摺り寄せて、いつものようにお互いに毛づくろいをして、洞穴で眠りたい気持ちになりました。
そこで、私はメス熊のそばに近寄ろうとしました。
しかし、そばに寄ることは出来ても、メス熊に触ることは出来ませんでした。
また、メス熊も私がそばにいることに気づかない様子です。