悲しみに暮れるメス熊を前に、私はどうすることも出来ないやるせなさでいっぱいになりました。
どれくらいの間そうしていたのかわかりません。
しばらくすると、私の意識はすうっと上の方へと昇り始めました。
それはまるで空の上から何かで引っ張られているかのように感じました。
どんどん上へ上へと昇っていくと、真っ白な世界へとたどり着きました。
そこにはたくさんの動物たちがいました。
先にたどり着いたあの鹿やバンビもいました。
テリトリーで命を全うした動物たちもいました。
みな平和で穏やかな顔つきをしていたので、私はここは安全な所なのだとわかりました。