そこには、これまで見たこともない生き物たちもおり、それぞれが思い思いの方法でくつろいでいることがわかりました。
草原のような場所で身づくろいをしているライオンやトラ、豹などの肉食動物もいれば、水辺で気持ちよさそうに水浴びをしているカバたちもいます。
また、驚くことにそのカバたちと一緒に、ワニや蛙、小鳥たちまで水浴びをしているのです。
それは草原の領域でも同じで、ライオンやトラなどの肉食動物たちと共に鹿や馬、牛などの草食動物たちまでもが、同じ空間を共有しているのです。
森のような領域には、リスやウサギなどの小動物たちも仲良く共存しています。そしてどの動物たちの表情もとても穏やかです。
気持ちよさそうに目を細めて、生きる喜びを享受しているように見えます。
私は、つい今しがたまで暮らしていた環境での動物たちの共存の仕方と、ここでのそれがあまりにも違うことに目を丸くして、ただ、ただ、呆気にとられるばかりでした。
どのくらいそうしていたのでしょうか。しばらくすると私のそばに一匹の動物がやって来ました。
驚いて振り返ると、それはその動物が地上での最期の時に私が運んだ水を飲んで亡くなっていったあの1頭の鹿でした。