そこで、私は彼女にその前世での細かい状況を聞いていきました。
「はじめは、その洞窟はちゃんとした出入り口があって、そこから敵の兵士が水などをくれました。しかし、ある日、大きな岩でその出入り口を外側から閉じられてしまいました。洞窟の前には兵士が二人立っていて、私たちを見張っています。」
彼女の閉じられたまぶたは、ぴくぴくと動きまるで、目をつむりながら、あたりを見渡しているかのようです。
「閉じ込められた洞窟の中は、水もなく、光もなく、ジメジメした不衛生な環境のため、すぐに病気が蔓延し始めました。周りの人たちは最初は混乱し、気が狂ったように叫び続けたり、泣き出したりしていました。」
「でも、時間が経つにつれて、静かになっていきました。それは、みんなが、徐々に弱ってきたからです。
怖がる弟を最初は勇気づけていたのですが、弟はまだ幼く、すぐに衰弱し始めました。私にできることは何もなく、励ますことしかできませんでした。
弟が動かなくなって少し経ったあと、私も自分が死に近づいていることに気づきました。喉が渇きすぎて、唇はかさかさになり、喉の奥が張りつくような感覚に苦しめられています。」
実際、催眠中の彼女のくちびるは乾き、何度も、ごくりと唾を呑み込むようなしぐさをします。