彼女の潜在意識は、彼女をもう1つの前世へと導きました。
私は、彼女がより深くその前世の中に溶け込めるように誘導します。
「ではその黒人の少年であるあなた自身の体の中にぴったりと入って、その心と体で体験してください」
「・・・今、水をくんで運んでいるところ・・・あっこぼしちゃった・・・水をこぼしちゃった・・・」
彼女は鼻をぐずつかせて、少しベソをかきながら言います。
「どうしたの?お水は遠くから運んできたの?」
「うん・・・遠くから運んできたのに、せっかく運んできたのに・・・こぼしちゃった」
「どうやってお水を運んでいるの?」
「・・・バケツで・・・2つのバケツで・・・両手に持っているの・・・後ろから何か来る・・・車かな・・・ジープかな・・・」
バケツがあって、ジープが走っているとすれば現代からそう離れてはいない時代のようです。
彼女がバケツの水をこぼしちゃったと言ってベソをかいた時、私は彼女の中に間違いなく1人のいたいけない黒人の少年をみた気がしました。