7歳の少女の淡々とした語り口調が、むしろ印象的です。泣き叫ぶでもなく、恨み言を言うでもなく、悲しむのでもなく、ただ今後どうやって食べ物を見つけようかという問題に直面している様子がよくわかります。
父親も母親も頼りにならないこの状況では、無理もありません。それにしても、誰かこの母子を助けてくれそうな大人はいないのでしょうか。
「誰か、あなた達を助けてくれそうな大人はいないの? 近所の人とか・・・お祖父ちゃんとかお祖母ちゃんとか・・・」
ジュリアンは、ふっと息を吐いて、答えます
「いない・・・近所には家はないし、付き合いも全然ない・・・お祖父ちゃんとかお祖母ちゃんなんて、会ったこともない。お母さんが助けを求めないのだから、きっと無駄なんだと思う・・・森にも、もう食べ物はないし・・・段々寒くなってきたし・・・困ったな・・・」
ジュリアンは今、本当に心から困り果てた声で小さく、そう呟きました。