「私が暮らす路地裏では、たくさんの人の人が野たれ死んでいます。路地裏はぐちゃぐちゃなのです。
用水路にゴミをそのまま捨てているのです。貧しい人はそれを飲み水に使っているのです。川はドブのようなものです・・・
たくさんの人が病気にかかります。このままでは私もそうなると思います。
この辺では娼婦がたくさんいます。娼婦になれば、食べられるし、服も着られるし、清潔な水を飲むのことが出来ます。私は高級娼婦たちを見て、自分も娼婦になりたいと思ったのです」
私は、ジュリアンの答えを聞いて、少し納得したような気持ちになりました。というのも、彼女は今までのたくさんの前世で不衛生な環境が元で病気になったり命を失ったり、大切な家族を亡くしたりした経験をしていました。
それが原因で、今生の彼女自身も不衛生なものに対する恐怖心に支配されていたのでした。ジュリアンが生きている路地裏の環境を聞いて、ジュリアンがその劣悪な環境から逃れるために、娼婦になる決心をしたのならば、納得ができると感じたのでした。