私は、ジュリアンという少女の人生が、どのような展開をみせるのかという不安に、心がざわめいている自分を感じていました。
その心のざわめきを、気取られぬように、ジュリアンの時を進ませました。
「今、12・・・いいえ13歳・・・もうお客さんをとっています・・・娼婦となってお客さんをとっています」
ジュリアンは静かな口調で話し始めます。
「そう・・・ねえ、ジュリアン、今どんなことを考えている?」
わずか13歳で娼婦となったジュリアンの心の内を探るべく、私は質問しました。
「・・・高級娼婦になりたい。できればパトロンが欲しい・・・どうやったら金持ちと会えるかな。早くなんとかしなくては・・・」
私は少したじろぎました。娼婦となっただけでなく、さらに娼婦として上を目指したいと、ジュリアンは言っているのです。
このジュリアンは、恥ずかしがりやで、潔癖症な私がよく知っている今、目の前でリクライニングチェアに横たわっているこの少女の一部なのです。
「どうして? なぜ高級娼婦になりたいの?」