20歳になったローランナに、今の心境を聞いています。
「・・・ただ、真面目に働くこと、清く前向きに善行をして生きていくこと。ただそれだけです。それだけを考えて生きています」
ひたすら清く正しく生きていこうとしているローランナは、その望みどおりしめやかに、そして律儀に毎日を過ごしています。
やがてそんなローランナの生活に、ちょっとした変化が訪れます。
「今、私は23歳です・・・私は今まではとても狭い世界しか知らなかったことがわかりました・・・」
そう話すローランナの声は、少し震えています。
「ある時、家の近くの山の中で、女性が男の人たちにさらわれるところを見ました・・・若い女性を3、4人の男性が暴行して、そしてどこかに連れ去られました。
私はどうすることも出来なかったのです・・・身がすくんで動くことが出来ませんでした。野蛮な行為から女性を助けることが出来ませんでした・・・罪の意識に苛まれています。
この山では、狩りも行われています。罪のない動物達が次々と人間達の快楽のために惨殺されています・・・
私には止めるすべがありません・・・こんなことを次々と知り、大きな衝撃を受けています。私は何も知りませんでした。
自分が正しいと思っていたことは果たして本当に正しいのか・・・他の人たちの考え方、世界を知りたいと思います・・・いろいろなものを見たいと思います・・・」