人間の残虐さを目の当たりにしたローランナは苦悩します。そして、自分の無力を嘆きます。
「私には何の力もありません。弱い者を助ける力がありません。目の前で襲われ、殺されている生き物たちを救うことが出来ません。
正しい教え、善行を説くだけでは、机上の空論です・・・知っていることを話すことは、誰でも出来ることです。そして、正しい生き方に気づくことも簡単です。
でも、それを行うことは難しいことです。私は、もしかすると偽善者だったのかもしれないと思っています。自己満足のために今まで活動をしていたのかもしれません・・・
いくら善行を説いても、こんな野蛮な人たちを変えることは出来ないのではないかと思っています。そして、そんな野蛮な人たちは善良な人たちよりも強い力を持っているのです・・・結局は清い心は簡単に強い力に打ち砕かれるものなのかと・・・」
ローランナである彼女の表情は曇っています。静かに呟くように、1つ1つの言葉を、心の奥底から絞り出しているように感じられます。ローランナの絶望にも似た無力感が伝わってきます。