若くして自分の生きる道を覚ったローランナとは全く対照的な生き方をしているジュリアンは、32歳になっていました。
32歳になったジュリアンは、パトロンに捨てられ、惨めな生活をしています。
「身も心もボロボロです・・・だけどまだまだ女としては売れる価値があると思っています・・・
そう・・・私は美しくなくてはダメ・・・でも男はみんな私から逃げていく・・・なんで・・・? 腹が立つ・・・ほんとに・・・」
悔しそうにジュリアンは吐き捨てるようにつぶやきます。
そんなジュリアンの肉体から離れた彼女が、荒んだジュリアンの気持ちを代弁してくれます。
「ジュリアンは、後悔しています。今まで美しくなることだけを考えて生きてきました。女性だということを武器にして来たのです。そのことを後悔しています。
そして、自分の身の上に腹が立ち、ヒステリーを起こしています。お酒をいつも飲んでいます。ジュリアンはお酒を飲んで暴れます。酒乱です・・・
だから、次々と男性が逃げていくのです。ジュリアンは今、高い時計塔がたくさん見える粗末なアパートメントで暮らしています」