中間世でのジュリアンの告白は、やがて高次の存在からのメッセージへと変わっていきました。
「人間は1人ではありません。決して1人では生きられないのです。
お互いの小さな行動が影響を及ぼし合って生きています。そういう意味でも孤独というものはありません。
1人の優しさは、たとえそれが無意識からのものであっても、1人の人生を変える力を持っています。
1人ずつが、小さな優しさを持ち寄ることによって、そしてそれを与えることによって世界は大きく変わります。
慈愛は奪うものではなく、与えるものです。
そしてそれはどの人間でも出来る行為です。
欲しがるのではなく、何を与えられるのかを考えるのです。
自分の言動が他にどのような影響を及ぼすのかを知ることが大切です。
足りないものを数えるのではなく、持っているものを知ることです」
彼女の声は、もうジュリアンのものではありませんでした。
一言、一言をゆっくりと区切りながらの深い穏やかな話し方は、間違いなく彼女のハイヤーセルフのものです。