0339.ジャングルに捨てられた赤ん坊

その世界での私は、どうやら小さな赤ん坊のようです。

それも生まれたての赤ん坊です。薄いぼろ布に包まれた私は、1人ジャングルのような森の中で1人寝かされていました。

このあたりからいろいろなことがわかり始めました。

小さな私は、このジャングルに捨てられた生まれたての赤ん坊です。

小さな赤ん坊の私は、泣きもせずにじいっとしています。

どうやらここはマレーシアあたりのジャングルのようです。

小さな部落で暮らしている私の両親は、とても貧しくて私をここに置いて行ったのです。

しかし、これはその部落ではそんなに珍しいことではないようです。

つまり、これはかつての日本でもあった間引きなのです。

貧しい者たちは、みな生きるために必死です。そんな中でも男の子が産まれれば、将来働き手となりますが、女の子はただ自分たちの食い扶持を減らすだけのやっかいな存在です。

そこでその部落では、時々女の赤ん坊をこうしてジャングルの中に置きにやってくるのです。

実際には間引きですが、彼らは生まれた子供を自然に帰すのだと言っています。

ジャングルに置いて帰ってくれば、自然と餓死がやって来ます。そうでなければ動物の餌となります。そしてどちらにしてもやがて土に還り、元に戻るのだと彼らは信じています。

そのようにして私も生まれてすぐここに捨て置かれたのです。



→ 筆者 ソウルミッション・セラピスト 中野日出美の プロフィール

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