0181.説明のつかない不思議な感覚
病気のお母さんのために自分が盗みをして一家の生活を支えてきたジェイミーは、たった一人の身内であるお母さんを亡くしてからも、盗みなどの悪いことをし続けながら暮らしていたようです。
盗みは決して誉められたことではありませんが、幼い少年が生き延びるために自分が出来るたった1つの方法がそれだったとしたら、私はやはりジェイミーを責める気にはなれません。
また、催眠から覚醒した後、彼女は木のスプーンの記憶だけでなく、いろいろな不思議な記憶や感覚を自覚したようです。
「実は、私・・・昔から不思議なことばかり考えてしまう癖があったのです。
それは、ちょっと恥ずかしいんですけれど・・・
というか本当はいけないことなんですけれど、買い物している時や、ウインドウショッピングしている時などにいつも、ふっと、あっ、今ならこれ盗めるなとか、あれを盗むのは簡単だなとか考えてしまうんです。
それは、ずいぶん小さい頃からで、物心ついた頃からずっとなんです。もちろん本当に盗んだことはありません。
でも、なぜこんなことばかり考えてしまうのだろうと不思議で仕方なかったんです。
それが今回のジェイミーの少年の頃を見て、理由がはっきりわかったような気がします」
不思議そうな顔をしながら彼女はそう話してくれました。
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