0209.船に乗せられて・・・
恐怖にかられて泣きたい気持ちを抑えてシルフィドは船に乗っています。まだ10歳にも満たない少女にとってはあまりにも衝撃的で過酷な出来事です。
「大きなボートのような船に、10人ずつくらい乗せられています。一本の縄にみんな繋がれています。私が乗せられた船では子どもは私だけです」
「そうですか・・・誰かあなたに親切にしてくれる大人はいますか?」
「いいえ。みんな自分のことだけで精一杯ですから・・・私はただおとなしくしています」
「そう・・・では、船が着いた後のことを教えてください」
「・・・船は1日もかからず大きな港に着きました。本当に大きな港です。ここはとても文明が進んでいます。
1番びっくりしたのは、それぞれの自分の仕事が細分化していて、明確化されているところです。
島では、それぞれがいろいろなことをしていました。例えば、木こりでも海に潜るし、服も作るし・・・
でもここでは流れ作業というか、すべてがシステム化されています。仕事が細分化して専門化しているのです。そしてみんなキビキビと働いています」
この続きは、『前世療法 137回の前世を持つ少女』 (中野日出美 著、総合法令出版)で、お楽しみください!