0245.手なしのチェチュン

しかし、幼少の頃に誘導したとたん、彼の表情は苦痛に満ちたものへと変わりました。

「・・・悲しい・・・悲しい・・・みじめだ・・・くやしい・・・えっ・・・えっ・・・」

今までのゆうゆうとしたおおらかな表情とは打って変わり、少年に戻った彼は、嗚咽を漏らし始めました。

「みんなが僕のことを『手なし、手なし』と言う・・・『手なしのチェチュン』と・・・」

「君の名前は、チェチュンというの?」

「うん。僕は学校のようなところに通っている。塾かな? 進学塾のような・・・

他の子供たちと一緒に何かの試験を目指して勉強している。

ああ・・・役人になるための試験かな・・・

そうだ・・・役人になるための、官僚になるための、とても難しい試験だ」



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