この動画は、インナーアクセスヒプノセラピースクール代表 中野日出美が、著書『前世療法 137回の前世を持つ少女』を、自ら朗読したものです。
初めまして。インナーアクセス・ヒプノセラピースクール代表の中野日出美です。
ヒプノセラピストとして活動して、おかげさまで570件以上のセッションを経験させていただきました。
なかでも、私は催眠療法の手法の1つである「前世療法」を数多く手がけてきました。
それは「前世療法」が、クライアントさんの心の問題を迅速に、めざましく改善するなどの効果をあげてきたからです。
そこで、このブログでは、ヒプノセラピーの現場での経験を「前世療法」を中心にお話させていただきたいと思っています。
ブログの中でのクライアントさんの情報については、個人のプライバシー保護のため、多少の内容を変更させていただきますことをご了承ください。
いままで、たくさんの前世療法のセッションを経験してきました。その中で最も多くの前世療法を体験した1人の少女について、お話したいと思います。
彼女は、これまでに24回の前世療法を経験しています。
そして、彼女は前世療法の最中に「137回の前世がある」と告げられたそうです。
その中で、すでに約31の前世を思い出しています。
なぜ、セッションの回数と前世の回数が異なるのかというと、一度のセッションで数回の前世を想起することもあれば、別のセッションで同じ前世に何度も行ってしまうこともあるからです。
初めて彼女が前世療法を体験したのは、中学生のときでした。
その年齢で催眠療法を受けること自体が異例のことといえるでしょう。しかし、彼女自身が、催眠療法が安全であるということを確信していたので、お互いにリラックスした雰囲気でセッションは、始まりました。
性格は、真面目で学校の成績もトップクラスです。生徒会では副会長を務めるなどして、教師達や友人からも信頼され、家族関係もさしたる問題はないとのことでした。
陶器のような肌をもつ、美しい女の子で、はた目には何のコンプレックスも悩みも持ち合わせていないようにみえます。
しかし、彼女は物心がつく頃からいくつかの恐怖症に悩んでいました。そのひとつが、1人になることを異常に怖がるということでした。
幼少の頃の母親との関係もおおむね良好で、生まれた翌日から添い寝で育てられています。また、母親が専業主婦であり、学校から帰宅して留守番する頻度も少ないようです。
でも、とにかく彼女にとっては、昼間であろうと夜であろうと家の中で1人っきりになるということが、恐ろしくてたまらないようなのです。
また、時々、家族とさまざまな状況で離ればなれになり、独りぼっちになるという夢をみているようでした。
例えば、家族に置き去りにされたり、家族と約束していた時間に間に合わず、自分だけ電車に乗れなかったり、家族と生き別れになり、誰かに追いかけられたりする夢です。そんな時は、泣きながら目覚めるのだそうです。
学校では、優秀で、真面目な性格であるということから、私は、まず彼女が周りの期待に応えなければならないという大きなプレッシャーを内面に抱えているのではないかと考えました。
しかし、心理テストでもカウンセリングでも、少なからずプレッシャーはあるものの、彼女自身もそれをある程度、認識し、楽しんでいるような様子です。
そこで、まずは、幼少の頃に、1人になることを恐れる原因となった体験まで退行してみることにしました。
彼女はたいへん催眠に入りやすい性質だったようで、あっという間に5歳の頃の小さい自分にさかのぼりました。
夕食後、母親と弟と5歳の彼女はお風呂に入りました。そして、入浴を済ませた彼女は、母親たちよりも一足早く、上がって居間のソファーでテレビを見ているところでした。
たまたま、テレビで怖い話特集のような番組が始まったので、彼女は押入れから布団を取り出し、頭からすっぽり被っていたようです。
そこに震度5から6くらいの大きな地震がきたのです。その地方でも数十年ぶりの大きな揺れであったらしく、街全体の被害は大きいものでした。
入浴中の母親も彼女を心配しながらも、湯船につかまって、おびえる幼い弟をなだめるのがやっとだったのです。
揺れがおさまって、あわてて居間にかけつけて、母親はその様子にびっくりしたようです。大きなリビングボードがソファーの方へ倒れ、中にあった食器類がその辺り一面に散乱していたからです。
彼女はソファーの上でおびえていました。しかし、幸いなことに頭からすっぽり被っていた布団が彼女を無傷のまま、守ってくれていました。
他にもいくつかの幼少の頃の体験を思い出しました。
しかし、彼女自身が「何か違うような気がする。こんなことくらいで、こんなに1人にな
るのが怖くなるなんて考えられない」と言うのです。
クライアントである本人がそう言うのですから、それが原因ではないのでしょう。
そうして、彼女と私は1回目の前世へのトラベルに乗り出すことにしたのです。