0021.お前さえいなければ・・・
彼女は、自分のことを「僕」と呼んでいます。まだ、幼児である男の子と今生での自分の間を、行ったり来たりしているかのようです。
「お母さんが話してくれたことによると、お父さんとお母さんは恋愛結婚をしたようです。でも、お父さんはお酒がとても好きな人で、僕が生まれてまもなく、帰って来なくなったのです。
お母さんは畑作業の手伝いと洗濯の仕事をしています。近所の人たちから頼まれた物を洗濯して、お金をもらうのです。お母さんは、いつもとても疲れています。
そして、いつも僕に言います。
『お前がいなければ、自由になれるのに。生まなければよかった』と。
それから、首を絞められたのも一度だけではありません」
彼女は涙ぐみながら静かに、悲しそうに話します。
→ 筆者 ソウルミッション・セラピスト 中野日出美の プロフィール
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