0049.洞穴に隠れ住む
その後、ファンジ君は必死で森の奥へと逃げ込みます。
とにかく、見つかったら殺されるという恐怖にとりつかれ、必死の思いで逃げます。
その頃にはファンジ君の家にはたくさんの子供がいました。
たくさんの弟や妹が生まれていたからです。
ファンジ君の性格は元々は天真爛漫で明るい子だったようですが、成長するにつれて、暗い性格になっていったようだと彼女は言いました。
侵略者たちに生命を脅かされながらの生活では無理もないでしょう。
頼るべき大人の男たちがみな、猟銃の前では、借りてきた猫のように大人しくなり、びくびくとおびえながら、暮らしているのですから。
それにしても大人の男の人たちに憧れ、あんなに成人の儀式を楽しみにしていたファンジ君のことを思うと不憫です。
無我夢中で逃げたファンジ君は、森の中に隠れ住むようになりました。
昼間はじっと洞穴のような場所に隠れひそみ、暗くなってから、木の実などの食べ物や小動物をつかまえて、なんとか生き延びました。
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