人間のタイプと適性―天賦の才 異なればこそ

人間のタイプと適性―天賦の才 異なればこそ

I・B・マイヤーズ著(日本リクルートセンター出版部刊)

著者であるイザベル・ブリッグス・マイヤーズはMBTI(マイヤーズ・ブリッグス性格類型検査)という人間のタイプを測定するテストを開発した人です。

彼女自身は正式な心理学教育を受けたことはありませんでしたが、地元の銀行の支店長のはからいで統計学と人事検査について学びました。

その後ペンシルバニア州の多くの学校に協力を依頼して何千人もの生徒に実施したのをはじめ、医学生や看護学生を対象に研究をしました。

そうして、それぞれの人間が物事をどのようにとらえ、判断するかという視点から16のタイプに分類したのです。

まず人間には4つの特性があるという前提のもとにそれらのタイプは分けられています。

その4つの特性とは、感覚、直感、思考、感情です。

このそれぞれの組み合わせが基本的特性をつくり、そこから一定の価値観、欲求、習慣、特質といったものが生まれてくるとしています。

たとえば感覚型の人には、話の内容をすばやく明確に伝えなければならない。

さもないと問題の解決は期待できない。

直感型の人に支援を要請するには、可能性を示唆して気を引かなければならない。

思考型の人には目的をはっきりと伝え、理路整然とした状況説明をする必要がある。

感情型の人には関係者にとって重大な意味を持つ問題なのだ、と感情に訴える必要がある。

など性格分類したうえでそれぞれのタイプとの関わり方を提示しています。

このように1人1人の性格の特徴がわかれば、職場などで意見が対立したりせず、問題が片付くケースが増えるのではないでしょうか。

またそれぞれの特性の組み合わせのタイプがどのような分野で成功を収めやすいのか、なども詳しく述べられています。

これは心理学の分野の統計学による分類なので、普段、血液型占いや動物占いなどに辟易している男性にでも受け容れやすいでしょうか。

職場での人間関係の改善のために、または彼女や奥様との会話のエッセンスとしてなど幅広く使える1冊です。

心理学に興味のない方でも自分や家族、周囲の人たちのタイプを推察して今後のおつきあいに活かしてゆくことができる本です。

ぜひ一読してみてください!