第3章 母に首を絞められたヤコブの伝言
0018.2つめの前世へと
彼女は前世回帰のヒプノセラピーの後、抱えていた恐怖症がいくらか改善したように感じたようです。
自分を苦しめていた恐怖症の原因や理由がわからず、今まではそのこと自体が不安であったのです。それが、いくつかの恐怖症の原因が自分の過去世にあるかもしれないと仮定することによって、すとんと納得できるものがあったと言うのです。
少なくとも、前世に向き合うことは、ちっとも恐ろしいことではなく、むしろ興味深いことだと彼女は受け止めたのです。
2度目の前世回帰のヒプノセラピーは、それからまもなく行われました。
彼女は前回同様、深い催眠状態に入っていきました。
そして、前回よりも、もっと速やかに前世の自分の体に入っていきました。
「草原です。まだ、小さい男の子です。4歳か5歳くらいです。僕はしゃがみこんでいます」
そうです。彼女は最初のセッションで訪れた前世へとやって来たのです。そして、彼女も含めて深い催眠に入り、前世を体験する人は、その前世の世界で、すっかりその体に入り込んだようになることが多いようです。
もう一度、当時の自分の肉体に入り、さまざまな経験をするのです。
ですから、その時の自分自身が幼児であれば、子供のような口調になり、老人になれば、老人のように、ろうたけた話し方になるのも、ひとつの特徴です。
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0019.首を絞められる男の子
「丘のような草原です。深い谷を覗いています。僕は誰かを待っているようです」
彼女はここで少し考えるような思い出すような間をおき、「お母さんです。僕はお母さんをいつもここで待っているんです」
「長袖のシャツにベストのような物を着ています。それに長ズボンをはいています。髪の色は茶色です。ヨーロッパのようです。ベルギーかオランダかもしれません」
当時の彼女はまだ、4、5歳の幼児なのにもかかわらず、質問に答えているのは、日本に生まれ、今日まで生きてきた彼女自身です。
今生の知識や感性というフィルターを通しての答えなので、このように現在の経験知から当時、自分が生きて暮らした国や土地を推察するのです。
「お母さんが、来ました。
・・・・・・あっ・・・
お母さんが僕の首を絞めている。
すごく苦しい・・・
怖い・・
ああっ・・・」
彼女の額は少し汗ばみました。両手で首をかばうような仕草をしています。
呼吸は速くなっています。
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0020.僕の名前は・・・・
「苦しい?その体から離れようか?」という私の提案に、彼女は首をふりました。
そして「大丈夫です。もう終わりました」と答えました。
ほっとしたように、彼女は息をはきました。
「亡くなったのですか?」
「いいえ。お母さんが手を離したんです」
彼女の答えは冷静なものでしたが、聞いている私は、動揺していました。
わずか、4、5歳の幼児がお母さんに首を絞められて殺されそうになったのです。
壮絶な前世体験をしているクライアントさんのセッションは、いつも緊迫感がみなぎります。
「お母さんは僕が邪魔なんです。僕がいない方がいいと思っているのです」
ここから、私はこの前世での詳細を質問していきました。
「この土地で暮らす人々は酪農のような仕事をしています。羊などの動物たちがたくさん見えます。食べ物はパンとかスープとかチーズなどです。あまり好き嫌いはありません。
僕はおとなしい子供のようです。僕の名前はヤコブです。
家族はお母さんだけです。お父さんはいません。お母さんが働いて僕を育ててくれています」
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0021.お前さえいなければ・・・
彼女は、自分のことを「僕」と呼んでいます。まだ、幼児である男の子と今生での自分の間を、行ったり来たりしているかのようです。
「お母さんが話してくれたことによると、お父さんとお母さんは恋愛結婚をしたようです。でも、お父さんはお酒がとても好きな人で、僕が生まれてまもなく、帰って来なくなったのです。
お母さんは畑作業の手伝いと洗濯の仕事をしています。近所の人たちから頼まれた物を洗濯して、お金をもらうのです。お母さんは、いつもとても疲れています。
そして、いつも僕に言います。
『お前がいなければ、自由になれるのに。生まなければよかった』と。
それから、首を絞められたのも一度だけではありません」
彼女は涙ぐみながら静かに、悲しそうに話します。
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0022.ヤコブの日常
「少し大きくなって、僕も近所の酪農の手伝いをするようになりました。暮らしは楽ではありませんが、食べるものに困ることはありません」
この前世での彼女(ヤコブ)はかなり、内向的な性格であったらしく、始終、重い口調で、話すことがあまり、好きではないような様子です。
「お母さんは、相変わらず洗濯などの仕事をしています。そして、いつも不機嫌そうです。僕に愚痴ばかり言います。毎日、毎日・・・」
「ヤコブ君は、そんな時どうしているの?悲しくて泣いたりする?」
「ううん。僕はいつも、黙っているだけ。ただ、黙って聞いているだけです」
「ヤコブ君は、まだ小さいのに辛いね。お友達はいる?」
「いない。遊ぶとお母さんに叱られる。それに誰も、僕とは遊んでくれない」
「なぜ、お母さんは叱るのかな?お友達はどうして、ヤコブ君と遊んでくれないの?」
「お母さんは、自分だけが辛い思いをしているのがたまらないのです。だから、息子である僕が自由に子供らしく生活することを許せないのです」
これは、今生の彼女の視線からの分析でしょう。
「お友達は、みな、僕が暗い性格で、いつも汚い格好をしているので、僕を好きになってくれません」
ヤコブ君は、お腹を空かすほどではないにしろ、周囲に暮らす人々よりも、貧しい暮らしをしていたようです。そのうえ、お母さんはヤコブ君の世話を、あまり細やかには、やいてはくれなかったのです。
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0023.生まなければよかった・・・
「お母さんは、いつも、疲れた顔でいいます。
『お前のせいで、私は人生を棒にふってしまった。
本当ならばまだ、私は若いのだからいくらでも好きなことできるはず。お父さんだって、お前がいなければ、私を大事にしてくれたはずなのだ。私は間違えた。お前を生まなければよかった』
と毎日、毎日いいます。僕は、何といっていいのかわかりません」
彼女は辛そうに、顔をゆがめながらボツボツと話します。普段の彼女は、どちらかというと、はきはきとした話し方をする女の子です。
しかし、この前世でのヤコブさんが、内向的で、人づきあいを好まない閉鎖的な性格だったため、前世療法中の彼女はこのような口ぶりになっていたようです。
催眠から目覚めた後、彼女は「ヤコブが口下手なうえに、あまり感情の起伏がない人だったようで、困りました」といいました。
まるで、その当時に生きた自分自身の通訳の役割をしているようです。
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0024.大人になったヤコブ
ただ、この後に続く彼女の、たくさんの前世療法のセッションを通してみると、その人格には、いくつかの特徴があることがわかります。
例えば、男性として生まれた場合と、女性として生まれた場合とでは、その性別ごとに明らかに共通した性格の共通点があることや、学ぶべき人生の課題が似ているといったことです。
それは、この後、もう少し彼女の前世体験を明らかにしてから説明しましょう。
ひと通り、ヤコブさんの生い立ちを聞いた後、成人後のヤコブさんの人生へと誘導しました。
「私は、背も高く、筋肉質の体格のよい男性です。
今では、自分で小さいながらも酪農を経営しているようです。毎日、もくもくと働いています。他には、趣味もありませんし、親しい友人などもいません。一人でいる方が好きなのです。それに私はこの仕事が好きです。
母親は、相変わらずです。私は、もう一人でもやっていけるので、いつでもここを出て自由になることが出来ます。
でも、出ては行きません。母親のことは好きではありません。が、母は、幼い頃、何度か私の首を絞めて、殺そうとしましたが、結局、私を殺しませんでした。
だから、私も母親を捨てられないのです」
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0025.あまりに幼いヤコブの母親
前世療法では、その人生での始まりから終わりまでをみるということが可能です。時としては、自分を殺した人間の心を知ることもあります。
また、反対に自分が誰かを殺したり、傷つけたりした場合、その相手の心に入り込んで、その時の感情をくみ取るという作業をする場合もあります。
この時の彼女はヤコブさんの母親の心を今生の自分の視線から冷静に読み取っていたようです。
「母は、まだ、本当に若いうちに自分(ヤコブ)を産んだのです。ですから、まだ完全に母親となるための準備ができていなかったようです。
体もですが、特に、精神的な面で幼かったのです。母は、まだ、子供を持つにはあまりにも、自分自身が子供だったのです」
後の私の質問に彼女は、前世での自分自身であるヤコブについても、冷静に答えています。
ヤコブさんは、無口で、無骨な男性だったようです。親しい友人も恋人も持ちませんでした。
しかし、たまに寄り合いのような集まりに出かけて行くついでに、町に下りて、商売で体を売る女の人と関係を持つこともあったそうです。
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0026.女性不信を生み出したのは母親だった
ヤコブさんが45歳の時に母親は亡くなりました。しかし、最後まで母親らしい言葉をかけてもらうことはできませんでした。
母親は自分自身を犠牲にして息子を育てたのだから、息子が自分のために働くのは当然だと考えていたのです。
ヤコブさんは、とっくに母親から愛情をもらうことは、あきらめていたようです。そして、人生のほとんどを母親と2人きりという環境で暮らした彼の中には、女性に対する不信感や恐れがあったのだと、彼女は後に話してくれました。
彼にとって、一番近い存在であり、力を持っていた人間が、自分を受け容れてくれず、いつも感情をさらけ出して、子供を虐待していた母親であったのです。
そんな生育環境が、彼の中に、女性に対する恐怖や不信を根づかせていったのでしょう。
そんな理由から、彼は生涯、女性と深い間柄になることを避けていたようです。
また、女性に限らず、他の人間との関係もきわめて希薄だったとのことです。
それは、人と接する機会が非常に少なかったという理由もさることながら、人との親密な関係というものを知らずに育ったという悲しい背景が大きく影響していたのでしょう。
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0027.人生を終えて、肉体から抜け出る
「お母さんが亡くなったときあなたは、どう感じました?」
「母が死んだ時、私は正直、ほっとしました。これで自由になれると思ったのです。実際、母親は、年をとるにつれ、ますます、愚痴っぽく嫌味になっていました。
母が死んで、自由になれましたが、私は今までと同じように、もくもくと働いています。犬を1匹飼いました。その犬と穏やかに毎日を過ごしています。幸せです」
そうして、ヤコブさんは70歳くらいまで生き、静かに人生の幕を閉じたようです。
ヤコブさんの魂は、くたびれた肉体を離れ、中間世へと移動していきました。
一つの人生を終え、その肉体から抜け出す時の感覚は、クライアントさんによって、少しずつ違いますが、ただ一人として、それを困難に感じる人はいません。
彼女の場合は、頭の方からぬるっとした感じで抜け出るのだそうです。
そして、ちょうど2階建ての家の天井のような高さの所にゼリー状の膜があり、その膜を突き抜けたところに別の次元の世界があるのだそうです。
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0028.そして、中間世へと・・
何度も前世療法を経験した彼女の経験では、そこは、とりあえず亡くなった後に行く場所であり、その後、魂は別の場所に移動するのだということです。
しかし、私たちが催眠療法によって中間世に誘導した時にクライアントさんがすぐ移行するのはこの場所だと彼女は、後に私に教えてくれました。
私のセッションでは前世を体験したクライアントさんのほとんどの方が、一つの人生を終えた後、この中間世へと移行されます。
中間世の印象は、人それぞれですが、多くの方にとって、その場所は厳かで、静謐な空気に満ちたところのようです。
また、懐かしい感覚を持たれる方も多いようです。
もともとは、その場所から私たちの魂は今生へとやって来たのだとしたら、そこは、魂の故郷なわけですから、これは当然と言えば当然のことなのかもしれません。
そして、クライアントさんは、たくさんのギフトを中間世でもらいます。
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0029.中間世からのメッセージ
では、クライアントさんが中間世でもらうギフトとは、どのようなものでしょうか?
それは、例えば、前世で家族であり、先に他界していた家族や恋人が待っていてくれたり、今生で先立たれた大切な人たちが出迎えてくれたりするケースもあります。
また、前世での自分(彼女の場合では、ヤコブや、キャッベッツアなど)たちが、待っている場合もあります。
そして、クライアントさんたちが、いただくメッセージのなかで、驚くほど、似かよっているものがあります。
それは、「よく頑張ったね。なかなか良くできていたよ」というようなものです。
そんな時、クライアントさんは大きな感動に包まれるようです。その様子に、私も、厳粛な、それでいて、温かいものを感じます。これは、ヒプノセラピストならではの役得でしょう。
それから、この中間世では自分自身の超意識と出会うこともたいへん、多いのです。
クライアントさんによっては、ここで自らのハイヤーセルフから意味深いメッセージを受けることもあります。
ハイヤーセルフとつながることができた時のセッションは、私自身にとっても大変、感動的なものになります。
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0030.ハイヤーセルフからの恩恵
ハイヤーセルフとつながるクライアントさんは、そう多くはありません。
というのも、ハイヤーセルフは大変、高次の存在であるからです。
自分を内観し、公平で、謙虚な立場から人生をみつめることができるような準備が整った時に、コンタクトがとれるようにも感じます。
セッション中にハイヤーセルフと出会ったと思っていても、実はそれは超意識であったり、自分の副人格であったり、ということが大変、多いように思います。
ハイヤーセルフは、自分を含めて誰をも、非難したり、誹謗、中傷したりすることはありません。
ですから、叱られたりすることもありません。おだてたり、脅されたりすることもないのです。
常に公平な立場から、愛に満ちた真理を次々と私たちに伝えてくれます。
そして不思議なことですが、そのクライアントさんの年齢や能力や経験を超越したかのような真理をメッセージとして送ってくれます。
そのように、人間としての枠を超えたような、叡智に満ちたメッセージは、作ろうと思って、作れるものではありません。
そのような素晴らしい恩恵に授かった時は、私自身、強く心を揺さぶられ、圧倒されるほどの感銘を受けます。
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0031.愛する人たちとの再会
こんな恩恵を受けられることが前世療法ならではの醍醐味です。
超意識や他の存在、ハイヤーセルフからのギフトをもらうことが前世療法の大きな目的の1つと言えるでしょう。
ですから、前世療法を扱うヒプノセラピストのなかには、前世での細かい体験はさっと飛ばして、なるべく早く中間世へと誘導すべきだという考えの人もいるようです。
しかし、私はそうは思いません。
ひとつずつの人生をじっくりと思い出し、その当時に生きた自分自身の体験を振り返ることによって、さまざまな人たちとの関わり方や、自分の生き方の癖のようなものを知ることができます。
また、前世で勉強していたことや興味を持っていたことを思い出すことによって、今生で新たに才能を開花させたクライアントさんもたくさんいらっしゃいます。
それに、せっかく自分の前世を思い出せるチャンスなのですから、少しでも、細かい思い出を取り戻したいものです。
そこには、かつて、自分が愛した人や、自分を愛してくれた人がたくさんいるのです。
それは、両親であったり、恋人であったり、子供であったり、配偶者であったり、友人であったりと、本当にたくさんの愛する人たちともう一度再会できる貴重な時間です。
そして、かつて深い縁で結ばれていたそれらの人々は、今生でまた自分と深いつながりをもっている人である場合も大変多いものです。
それらの人々をソウルメイトと呼びます。
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0032.深くつながっているソウルメイト
ソウルメイトは、1人とは、限りません。
また、それらのソウルメイトと必ず、いつも同じ時代に生まれ、関わりを持つとも限らないようです。
前世で激しく愛し合った人でも、今生では、まだ巡り会ってはいないということもあります。
また、今生で深い関係にある人でも前世のセッションではまだ登場しておらず、再会できていないということもあります。
ソウルメイトはいつも、恋愛関係で結ばれるという場合もありますし、その都度、いろいろと役割を変えて関わり合うということもあります。
たとえば、前世では母親と娘であった2人が、今生では、姉妹として生まれていたり、今生での夫が、前世では父親であったりするのです。
そして、性別もその前世によって変わっています。前世では父親であった人が、今生では妹であったり、今生での息子が、前世では自分の妻であったりと役割を変えて生まれ変わってくるようです。
もちろん、夫や娘、恋人など今回の人生で深いつながりのある彼らは、前世では違う顔、名前、性別で生まれています。
しかし、たいていの場合、すぐさま、それが誰であるのかクライアントさんはわかるようです。前世で、出会った途端に分かる場合もあれば、中間世でわかる場合もあります。
前世療法を受けるクライアントさんは、ソウルメイトを知りたいという目的を持っていらっしゃる方も多いのです。
前世での恋人との関係を知りたい。前世での子供との関係を知りたいなどと思っていらっしゃる方がたくさんいます。
そうして、前世での彼らとの関係を知ると「ああ、なるほど」とうなずかれるのです。
それは、前世での関係や役割が、今とは違うものであっても、なぜか似たような関わり方のパターンがあるからです。
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0033.前世と今回の人生での関係とは・・・
また、前世での役割とまったく逆の立場での関わり方をするパターンも、とても多いのが特徴です。
たとえば、今生では一方的に恋人に尽くす立場である関係が、前世ではその恋人から献身的な愛情を注がれていたり、今生でいつも苦労させられている夫が、前世では苦労しながら自分を育ててくれた母親であったりするのです。
そのような前世での関わりを知ることによって、今まで納得できなかった愛情や相手の葛藤などが理解できるようになるのです。
そうして、急激に、または徐々に相手への許しや自分自身への癒しが始まります。
そうなると必然的に相手との関係は変わってくるものです。
ますます、相手を愛するようになるかもしれませんし、いつも繰り返してしまうネガティブなパターンを断ち切るためにきっぱりと別れて、お互いが別の人生を歩む時がやってきたと決断するかもしれません。
いずれにせよ、魂の成長のために一歩を踏み出せるようになるようです。
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0034.自分はいくつもの人生を生きてきた
彼女はこのヤコブであった2度目の前世療法を終えて、呼吸困難になるのではないかという恐怖が、少し薄らいだと報告してくれました。
しかし、まだまだ、首の周りを締め付けるような洋服は着られません。また、彼女は、物心がついた頃から、必ず腕で首を守るような仕草で眠るのだそうです。
彼女がこのような仕草で眠らなくなった時が、真に恐怖症から解放された時なのであろうと私は思いました。
しかし、明らかに彼女は変わり始めていました。
いいえ、すでにこの時、もう変わっていたのでしょう。
「本当にいろいろなことがわかりました。キャベッツアとヤコブの人生を思い出して、自分は今回の人生だけではなく、何度も人生を生きた経験があるのだとわかりました。
だから、自分のなかには、いろいろな知恵や才能があるはずなのだと思えるようになったのです。
そして、キャベッツアとヤコブが私にくれたメッセージは、本当に今の私にとって必要で大切な意味のあるものでした」
私の前世療法のセッションでは、必ず中間世で前世での自分から今生への自分へのメッセージをもらいます。
彼女もキャベッツアさんとヤコブさんから、メッセージを受け取っていました。
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0035.前世の自分とハイヤーセルフからのメッセージ
キャベッツアさんから彼女へのメッセージは
「私は、とても幸せに暮らしていました。お父さんもお母さんも大好きでした。弟はとても可愛くて、私を最期まで頼ってくれました。
もし、もっと生きられていたなら、家族にもっと感謝の気持ちを伝えたかった。
あなたは、平和な時代で豊かな国に生まれて良かったわね。
でも、その幸せに気づいてね」
というものでした。
また、キャベッツアさんが中間世でハイヤーセルフから、いただいたメッセージは、
「人間は迫害されたり、迫害したりしながら学んでいる。
その人生、その人生で役割を交代しながら、迫害される者の哀しみや無常感を学び、迫害する者のエゴと罪を学ぶ。
いつもこのようにどちらか一方ではなく、両方の立場の人生を送ってみて初めてその人生の大きな意味を理解する。
その人間によって、その課題はいつも違うが、魂の長いサイクルにおいてはみな、すべての課題を学ぶようになっている。
ひとつ、ひとつ課題をクリアして、魂はステップアップをしていくようになっている。
だから人というものには、損も得もなく、良い魂も悪い魂もないのだ。
みな、ただ、その人生、その人生において自分の役割を果たしているだけなのだから」
というものでした。
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0036.ハイヤーセルフとのコンタクト
私は、彼女よりも数十年も長く生きて来たのにも関わらず、ただただ彼女の口からよどみなく流れる言葉に圧倒され感銘をうけていました。
彼女の口から発せられているメッセージをできるだけ、記録にとどめておきたいという一心で、ひたすらペンを走らせていました。
少し手が震えるような感覚があったのを覚えています。
これがまだ13,4歳の中学生の少女から発せられている言葉とは思えませんでした。
彼女は非常に深い催眠状態に入っていたので覚醒後この言葉をちゃんと覚えているだろうかと私は気をもみました。
というのは、非常に深いトランスに入るクライアントさんの中には、まれに催眠中の記憶を一部を失くす人もいるからです。
こんなに素晴らしいメッセージを彼女自身が、今このときに受け取れないのはあまりにも惜しいと思ったのです。
しかし、それは私の杞憂にすぎませんでした。
彼女はしっかりと冷静にそのメッセージを聞いていました。
ただ、ハイヤーセルフというものの存在を当時の彼女は知らなかったため、少し不思議な感じがしたといっていました。
「自分で話しているんですけれど、誰? これ? という感じで・・・・ でも、次から次へと言葉が口から出てきてしまって変な感じでした」
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0037.ヤコブからのメッセージ
また、彼女はヤコブさんからもこのようなメッセージをもらっていました。
「私は、大人になり、自分でいくらでも自分の道を決めることができた。
・・・・・しかし、私は自分の人生に・・・・甘んじてしまった。
母親との関係にがんじがらめになってしまった。
もっと人生の・・・・・選択肢を持つべきだったのだ。
君は、まだ若い。人生の選択肢は多い方がいい。
その中でその時の自分が一番良いと思った道を選んで欲しい」
朴訥な性格のヤコブさんはこの時も一語、一語をかみしめるかのように話してくれました。
しかし、中間世での彼は、現世での彼とは少し違っていました。人生全体を見渡し、大きな視野から考え話しているようです。
このように1つの人生を終えて肉体を離れ、魂だけの存在になるとみな、このように広い視野から人生を捉えることができるようです。
とはいえ、この段階ではまだ肉体をもって生きてきた1人の生身の人間としての感性が残っています。
そのため、クライアントさんによっては残してきた家族や恋人、またはやりのこした事柄に未練を残して感傷的になってしまうこともあります。
まさに物質社会と精神社会のはざまである場所におかれた存在ならではの感覚と言えそうです。
→ 筆者 ソウルミッション・セラピスト 中野日出美の プロフィール
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0038.ヤコブの人生を終えてハイヤーセルフからは・・・
その後、このヤコブさんの中間世でも、ハイヤーセルフは次のようなメッセージをくれています。
「人は時として、自分の殻に閉じこもることも必要だ。
それは自己を守るために。
しかし、いつもそうではいけない。
人と交わることが大切なのだ。
なぜならば人と交わることによって学ぶからだ。
傷つくことを怖れてはいけない。
自らが傷ついて初めて傷つけることの恐ろしさを知ることができる。
そうして、傷つけない関わり方を身につけるのだ」
このメッセージをいただいた後、彼女は
「確かに私は、人と距離をいつもおこうとしているようです。
それは、面倒だからだと自分では思っていましたが、
本当は自分が傷つくことが怖かったからかもしれません」
といっていました。
彼女はこのあともいくつもの前世を思い出し、そのたびに中間世でたくさんのメッセージをもらいました。
それが後々の彼女の人生を大きく決定づけていくことになるとは、この時点では私も彼女自身も知りませんでした。
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